非納品型のWebサイト制作
ここまで、「Webサイト制作に納品は必要か」 「納品型のWebサイト制作」について解説してきました。 このページでは、非納品型プロジェクトの進め方と費用の請求方法について説明していきます。
「非納品型」といっても何も難しいことはありません。 やっていることは基本的に「納品型」と同じです。 作業時間の見積りもしますし、見積り金額の概算も提出します。
スプリントごとの請求
Web開発の現場では「複数個のタスクを2週間〜1ヶ月という短い期間で開発し、その期間の終了時に確認、そして次のタスクをアサインする… 」これを繰り返す方法がよく使われます。
このようにプロジェクト全体を細切れにして進行することを「スクラム開発」と呼びます。スクラム開発の1つの期間は「スプリント」と呼ばれ、スプリントごとの開発・確認を繰り返すことで、クライアントとの認識差を最小限に抑えることができますし、思わぬ仕様変更にも比較的柔軟に対応することができます。
非納品型案件の場合、このスプリントごとに請求を発生させるイメージです。
2週間であれば、その2週間での「作業した時間数 × 時間単価」となります。支払期限は相談の上決めますが、日本企業の場合、翌月末ということが多いのではないでしょうか。
多くのクライアントが、2週間ごとの請求というケースに慣れていないと思いますので、最初はスプリントを1ヶ月に設定するのも良いかもしれません。ただし、長過ぎるスプリントは、クライアントにも制作者にもリスクであることを覚えておいてください。
完成したWebサイトを確認してもらった結果「思っていたものと違う」となるよりも、2週間後に方向修正できた方が、どちらにとってもメリットがあるはずです。
非納品型の見積書
非納品型の場合、見積書の提出はケースバイケースです。 概算費用が分からなければクライアントも判断しようがありませんから、おおよその作業時間を推測し、それに単価をかけた金額を参考金額として共有します。 メールやチャットのテキストとして送信する場合もあれば、稟議を通すために納品型プロジェクトのような書類として提出を求められることもあります。
共有する際には「参考金額である」という意識をしてもらえるよう細心の注意を払ってください。 スプリントごとの開発ですから、要求が増えたり仕様が変更されたりすれば、もちろんスクラムの期間は延長されますので、トータルの請求金額も増えることになります。
非納品型の請求書
非納品型プロジェクトの請求書は下記ようになります。
こちらのリンクからスプレッドシートにアクセスできます。
人日
ではなく 時間
になっていることに注目してください。スクラムはプロジェクト全体を短期間に区切りますから「日単位」だと「1.3日」など半端な数字が入ってきてしまいます。細かな作業にも対応できるよう「時間単位」にしておきましょう。
プロジェクトが細切れになりますから、一回の請求金額は小さくなります。スプリントが何回あるかはWebサイトの規模によりますが、サイト公開までのスプリントの合計が、プロジェクトの合計請求金額となります。
非納品型には、Webサイト公開後もスムーズに仕事を依頼して頂けるという良い点があります。スプリント期間を再設定することもありますが、タスク整理、作業、確認、請求といった一連の流れには変化がありませんので、何も考えずにWebサイトの保守や追加開発の依頼を受けることができます。
納品型と非納品型、どちらが良い?
非納品型プロジェクトは徐々に広まりつつありますが、まだまだ納品型の方が一般的なのは事実です。 また、小さなプロジェクトの場合、スプリントがあまりにも小さくなり過ぎて非効率になってしまう場合もありますので、規模や納期などによって柔軟に取り組んでいくと良いと思います。
個人的には、非納品型で採用させて頂くことがほとんどです。クライアントもプロジェクトの一員となって頂くことで、より建設的な進行ができ、時間とお金を大切に使うことができるからです。
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