納品型のWebサイト制作

前ページでは「Webサイト制作に納品は必要か」について解説しました。 このページでは、納品型プロジェクトの具体的な進め方について説明していきたいと思います。

前提

  • 1ページのみのシンプルなWebサイト制作
  • 作業するWebデザイナーはあなた一人のみ
  • 写真は無料素材のみを使用

まず、納品型プロジェクトですが、プロジェクトのヒアリングが終わったくらいで、下のような見積書を提出します。 人日 とはWebデザイナーの人数と作業日数を掛け合わせたものです。2人で2日なら4人日、3人で3日なら9人日となります。 人月 として1ヶ月単位で表記されることもありますが、小規模なサイト制作なら「人日」が一般的です。

キャリアや専門分野によって単価が大きく異なると思いますので、金額は気にしないでください。

納品型プロジェクトの見積書サンプル

企画、サイトデザイン、モバイル対応、サーバーセットアップと項目が並んでいますが、このチュートリアルを読み進めてきた方は、何となく想像がつくかと思います。内容が分からない方は、Webデザイナーの企画力 からチュートリアルをスタートしてみてください。

それぞれの項目は、さらに細かく分割することもできますが、クライアントにとってはあまり意味がありませんので、この程度で良いかと思います。 (例:「サイトデザイン」には、適切な写真を無料素材サイトから探してくる時間や、必要な挿絵を制作する作業も含まれています。)

見積金額が不足する場合

この見積書を参考に、クライアントは予算を組んだり、会社での稟議を通りたりします。 クライアントは、最終的な請求金額が見積書の金額から乖離することは想定していません。修正回数が多かったり、素材を購入する必要があった場合などは、上振れすることもありますが、倍額になるということはまず無いかと思います。

想定よりも作業量が多いと思った場合は、できるだけ初期の段階でクライアントに相談しておかないと、後々問題になりがちです。30万円分の作業量で完了すると思っていたのに、倍の作業量がかかってしまった場合、新たな請求を立てるのが筋かと思いますが、快く承認してもらえないというのが現実ですし、プロジェクト自体が頓挫するケースもあります。

また、リリース後の修正費用も含んだ金額になっていると思っているクライアントもいますので、別途費用がかかることを事前に説明しておきましょう。

見積金額が余る場合

逆に、想定よりも作業量が少なかった場合はどうなるでしょうか。提出した見積書で承諾してもらっていますから、クライアントにはその分の予算が確保されているということです。仮に見積り金額30万円で承諾してもらっている場合で、実際には20万円分の作業量で完了してしまったとします。差額の10万円をどうすべきでしょうか。

既に承認された10万の余剰予算ですから、黙っておけば単なるボーナスになります。 もちろん、作業を早く終えることができたのは、あなたに能力があるからです。他の人が2日かかる作業を1日で終えることができるのなら、その差額は報酬として受け取るのが当たり前です。しかし、その差額は付加価値として単価に反映させるべき費用ですから、見積書の内容と実態に差が出てきてしまいます。

完璧な見積りは不可能

見積り書の金額と実際の作業量がぴったりと一致することの方が珍しいかと思います。 どんなに経験を積んだWebデザイナーであろうと関係ありません。 制作者としては、そういったケースを想定して、見積り金額を多めに提示しておかざるを得ず、見積り金額が高くなります。また、その制作者がどのくらい余剰予算(バッファと呼ばれたりもします)を想定しているのかがクライアントには不透明です。

Web制作は、信頼関係が必要な継続的なプロジェクトになります。

サービスと対価が不透明な状態というのは、遅かれ早かれ問題になるかと思います。「納品型」は見積りが不透明になりがちですので、問題があると思ったら早急に対応を考えましょう。

最後に、請求書のサンプルも載せておきます。 こちらのリンクからスプレッドシートにもアクセスできますので参考にしてみてください。

納品型プロジェクトの請求書サンプル

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