Webデザインにおけるトーン&マナーの決め方

Webデザインは、ゼロから作り出すものではありません。 世の中には素晴らしいWebサイトが溢れていますから、まずはそういった既存事例を集めましょう。 そういった事例の中から、参考になりそうな要素を抽出して、トーン&マナーを決めていきます。

「盗作じゃないか」と心配される方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。ベテランのデザイナーの場合だと、いきなり作り始めることもできるかと思いますが、それはその方が長年培ってきた経験があるからこそです。 どんなWebデザイナーであれ、今まで見てきたいろいろな要素を頭の中で組み合わせています。組み合わせ方には、その人の個性やアイデアが盛り込まれていますから、それ自体にオリジナリティがありますので、既存事例を集めることに罪悪感を感じる必要はまったくありません。良いデザインをどんどん参考にしていきましょう。

実際には、ベテランのデザイナーになればなるほど、既存事例の収集を怠らない傾向が強いと思います。優秀なデザイナーは、今までにない組み合わせのアイデアを常に探しているものです。

トーン&マナーを決めるために既存事例を集めるわけですが、集める時に注意すべきポイントをまとめました。

カテゴリーを絞って探す

美容室のWebサイトを制作するなら、まずは美容室のWebサイトの参考例を。医療系のWebサイトなら医療系のWebサイトの参考事例を集めましょう。あえて離れたカテゴリーを参考にする場合もありますが、難易度が高い上に、見つかるかどうかの確証がありません。まずは、制作しようとしているWebサイトの業種に近しい範囲で探すと効率的です。

カテゴリーの範囲を決めるのは難しいですが、カフェのWebサイトであれば、レストランやバーのWebデザインも参考になると思います。広げ過ぎると時間がいくらあっても足りませんが、範囲が狭すぎるのも考えものです。

優れた事例を集める

同じカテゴリーだからといって、何でも良いわけではありません。美しさと機能を兼ね備えた優れたWebサイトを集めるように心がけましょう。

Webサイト以外にも目を向ける

同じカテゴリーであれば、Webサイト以外のメディアにも目を向けてみると良いかもしれません。雑誌や街中の広告などにもヒントが隠れているかもしれません。気になったデザインは写真を撮っておくなど、後で参照できるようにしておく習慣を付けておくと良いと思います。

クライアントと一緒に集める

クライアントも既存事例の収集に参加してもらえると、より良いプロジェクトになると思います。 クライアントの頭の中にある方向性や好みを聞き出すチャンスにもなりますし、プロジェクトに参加している感覚を持ってもらうという点でも、大きなプラスになります。依頼を受けた側が宿題を出すというのは変な感じがするかもしれませんが、クライアントにとっても言葉にできない感覚を表現できる機会となりますので、意外と積極的に参加してくれます。

開始する前には収集する際のポイントをお伝えし、完了したらオンラインで共有してもらいましょう。あまり期間が長いと当初の目的を忘れてしまいますので、長くても2週間以内にはお互いの集めた資料を共有できるようにスケジュールを組むと良いと思います。

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